2021年11月に横浜、BankART KAIKOにて開催された「Tanker Project Prologue: ドクメンタ15への道」に出品されたカルロス・ガライコアの作品をご紹介します。
キューバ生まれでスペインを拠点に活動しているアーティスト。いま共産圏のキューバで何ができるか。その活動を紹介するとともに、移動というテーマで制作した作品などを展示。
作品についてはコンタクトフォームよりお問い合わせください。
トラベラーズマップは、日ごろ私達が目にする地図とそれに印をつけるピンを使った作品。ピンの頭が建物の形をしていて、全体で地図を構成しています。マルコ・ポーロやコロンブスなど小さな紙片には古来から世界を旅行した人々、世界の様々な地域について語る小説家や哲学者、旅行ガイドなど、数多くの書籍から選ばれた言葉が書かれています。
これらはすべて、さまざまな都市を見た思い出、記録や想像上の楽園の第一印象についてのコメントです。本来のそうであったはずの過去の都市の栄光の姿、あるいは理想の姿と語り部の見たその時その時の姿。作品のテキストを読んでゆくと、私たちと語り部である過去の人々の世界認識とのギャップに気づきます。果たして私達が今、当たり前のように思っている世界の姿は本当に正しいのでしょうか。そのギャップから見えてくるの常にぼんやりと余白の中にかすんでゆく「世界」なのかもしれません。
ハバナではアメリカ統治時代に建てられたカジノ、リゾートなどの老朽化が進む。共産圏で理想とされる建築、街づくりと今も残るアメリカ時代の建物。時間の経過とともに変わりゆく景観を表現した作品。