2021年11月19日(金)-28日(日) BankART KAIKO
Tanker Projectは、作家・栗林隆が長年温めてきた、タンカー船を改造し、自由に動く島をつくりたいという思いをもとにArtTankと発起したプロジェクト。現代の様々な場所で生じている軋轢を乗り越えるアートエネルギーを船に載せ、世界中に届ける構想です。インターネット上の仮想の海から始動し、実現に向けて活動する過程の一つ一つを現実世界の展覧会やプロジェクトに仕立てながら、本物のタンカー島の就航を目指し進めいきます。
栗林隆と乗船アーティスト CINEMA CARAVANが、ドクメンタ15(2023年6月18日―100日間)参加決定したことを機に開催中のキックオフ展のテーマは 「旅・移動・Lumbung(ルンブン)」です。
旅・移動 世界のあちこちで移民についての考え方が社会問題となっていた近年、突如地球を覆ったコロナ禍は、私たち人間の様々な移動について根本的に問い直す契機となりました。Tanker Project 構想の源にもまた、場所(土地)を巡る人間の諍いから自由を求める希求、様々な地域の差異を前提とした共生する社会を実現したいという思いがあります。
バルトロメイ・トグオ(カメルーン) 、カルロス・ガライコア(キューバ)、栗林隆(日本)、志津野雷(日本)は、それぞれに、旅や移動をテーマとした作品を作り続けています。アフリカから見える格差と移動(移住)、西欧から「発見」された新大陸から見る人間の移動の意味、溢れる情報を疑う旅、地球の美しさと営みを探求する旅とその表現は様々です。彼らの作品を通して、私たち人間がなぜ移動し続けるのか、再考の契機となれば幸いです。
Lumbung(ルンブン)とはインドネシアの米蔵とそれを管理する共同体を差す概念で、来年開催されるドクメンタ 15のテーマ です。上記の4名の作家たちには、それぞれの故郷や拠点でライフワークとして取組む活動、チームがありました。Tanker Project は、アーティストだけではなく、作家たちの創作の源となる思いや活動を共に載せ、航海していきます。これまでの概念では、アーティストとは呼ばれない活動やチームも、Tanker Projectにおいては、大切なエネルギーを創り出すアーティストなのです。こうした活動やチームのことを、ドクメンタ 15では、Lumbungと呼んでいます。CINEMA CARAVAN(日本、逗子)、Artista X Artista(キューバ、ハバナ)、Bandjune Station(カメルーン、バンジュン) という 共同体(活動体)をアーティストとして紹介しています。
Road to docmenta fifteen そして、ドクメンタ15への道、と題したドローイングを引き続き販売しております。CINEMA CARAVAN+Takashi Kuribayashi のドクメンタ15作品制作資金となります。栗林隆の取り扱い作品についてはWorksのページをご覧ください。