Toguo – works at Tanker Project Prologue exhibition

2021年11月に横浜、BankART KAIKOにて開催された「Tanker Project Prologue: ドクメンタ15への道」に出品されたバルトロメイ・トグオの作品をご紹介します。

Exodus / 2021 Yokohama version

カメルーンからフランスへ。2つの国を行き来しながら。カメルーンでアーティストとして自分がやるべきことを見つける。人の移動、亡命などをテーマに活動を続けるアーティスト、Barthélémy Toguo の作品を展示。

作品についてはコンタクトフォームよりお問い合わせください。

Exodus / 横浜バージョン 2021 / 1700 x 3600 x 1200 mm / 自転車、木材、タイヤ、アフリカの袋  courtesy of Barthélémy Toguo, photo by Ken Kato

バルトロメイ・トグオはこれまで様々なメディウム、絵画、ドローイング、彫刻、写真、パフォーマンス、インスタレーションなどを使って、植民地、人種、移住、移動などをテーマに作品をつくってきました。カメルーンで生まれ、パリで仕事をしている自身の経験がその背景にあります。

この「脱出」という作品の原型は2008年に行われたパリでの展覧会で最初に発表されました。このシリーズはアーティスト自身の説明によれば「移民と難民の危機についての作品で、より良い生活を願って移動する若いアフリカ人の願望」を表すとのこと。ヒューマニストでもあるトグオにとって、ここでは境界を越える危険な旅よりも、袋一杯の希望がこの作品の最も大切な要素であると言ってよいでしょう。

Mobile Cafeteria  courtesy of Barthélémy Toguo and Bandjoun Station

Barthélémy Toguoはアーティストとしてパリで活動する傍ら、2008年からカメルーンにアートセンター、Bandjoun Stationを設立。「活気に満ちた革新的な構造を構築して、アフリカの創造性と文化にたいする要望に刺激を与えるために」展覧会や子供たちへの教育活動にも取り組んでいます。Bandjoun Stationでは地域が自立できるようにとコーヒー栽培に取り組んでいます。ここでとれたコーヒーをお客さんに飲んでもらうのがこのMobile Cafeteriaという観客参加型の作品になります。この作品の核となるのはアフリカとヨーロッパの間にある歴史的な関係とそこから今でも続く経済的格差で、このプロジェクトはそれについて考えさせるための作品でもあります。